国指定 重要文化財
指 定 平成6年年6月28日(文第147号)
所在地 いわき市平字高月一
所有者 飯野盛男
鎌倉時代−明治時代 1683通
中世文書が全画像・全釈文・目録を収めCD-ROMになりました。
詳細は飯野文庫サイトへどうぞ。
飯野家文書は、鎌倉幕府政所執事伊賀光宗を祖とする飯野八幡宮宮司飯野家に伝来する鎌倉期から明治初期にいたる文書で、総数1683通にのぼる。
このうち中世文書は210通。国学者大国隆正の言を容れた飯野盛容によって、明治4年(1871)ごろ178通が9巻の巻子に装丁され、そのほかは未成巻のまま秘蔵された。
その内容は、関東下知状など好島荘の相論に関する文書、南北朝期の足利尊氏感状・同直義感状など武将としての伊賀氏の動向に関する文書、飯野八幡宮縁起注進状案・飯野八幡宮鳥居造立配分状など八幡宮に関する文書に大別される。これらは、鎌倉期の好島荘の状況を明らかにし、南北朝の動乱期における伊賀氏の活躍を伝えており、あわせて奥州管領の権限をもうかがわせる。また室町期から戦国期にかけての岩城氏の大名化の過程を示す資料でもある。江戸時代には新井白石がその著「藩翰譜」に引用している。
近世以降の文書は、八幡宮の縁起や由緒、祭礼、飯野家の家譜や系図、将軍家からの朱印状、鳥居家から安藤家までの歴代藩主の寄進状、所領や年貢、神社経営と供僧寺、書状、絵図、内藤家時代に奉納された和歌や俳諧など、広範囲にわたっており内容も多彩である。また、明治初期に置かれた中教院関係の辞令や触、達、願書、社寺明細なども含まれている。東北地方屈指の中・近世文書群である。
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