令和6(2024)年
飯野八幡宮 お祭りの日程 new
9月6日(金曜日)
潮垢離神事 ※関係者のみ参列
9月7日(土曜日)
お神輿(揚土御旅所まで)
午前10時より
やぶさめ 14時頃〜 流鏑馬馬場にて
宵祭り 午前10時〜19時 八幡宮境内
9月8日(日曜日)
古式大祭
八十八膳献饌
午前11時より八幡宮境内
※関係者のみ参列
9月15日(日曜日)
例大祭 ※関係者のみ参列
古くから飯野八幡宮の例祭は8月14・15日であったが、明治40年より太陽暦の9月14・15日に改められた。
また、平成23(2011)年9月より、お祭りの日時が変更された。
祭礼は、9月1日の祭始祭から始まり、円座的祭、潮垢離神事と続く。潮垢離神事は藤間の浦(いわき市平藤間字川前63番3、舞子浜ビーチ付近)で行われる。潮垢離は飯野家文書「八幡宮縁起」の中に建暦元(1211)年「御濱出」と記されており潮垢離神事の姿が窺える。以来、約780余年の間、連綿と継承されてきた神事である。
この神事は、例祭を迎えるにあたり、宮司を始め、流鏑馬騎士、総代および流鏑馬用具、神馬が藤間浦において心身ともに清める。
斎場である藤間浦は河川の流入が無いため、清きところと古代より選ばれたと思われる。潔斎が行われたのち、浜辺で採取した貝殻を盃にして直会がある。その後、久保木・青木・星野の3家に立ち寄り、庭先で神馬を空駆けさせる。
流鏑馬神事は9月第二土曜の午後行われる。騎士は狩りの装束で笠、むかばき、箙を着け、弓を持つ。笠は五色の紙垂で飾られる。馬の背には蒔絵の和鞍が置かれる。また、馬の四脚は、藤間の海岸から角樽で汲み上げてきた潮水で清められる。神前で御祓いをうけたあと、神域を一巡して一の鳥居の前で礼射式を行い、馬場に向かう。馬場では空駆け、生姜撒き、扇子撒き、的矢の順で行われる。的は杉板七枚組で方二尺五寸の大きさ、金曜日に作っておいたものを、馬場の三ヵ所に立てる。
やぶさめは、中世武家社会に興った武芸の一種で、馬に乗って走りながら、矢で三箇所に立てた的を射るもので、神社で行う場合は年占的意味合いがある。当宮所蔵の古文書によれば、貞和2(1346)年にこの神事が行われた事が記されており、以来連綿と継承されている。江戸時代には、平藩より一騎、神社氏子より一騎が奉納されていたが現在は二騎とも氏子の中から奉仕されている。
流鏑馬の回数は奇数とされており、状況により、七、九、十一回程行われる。騎士と馬は潮垢離神事で清められ、神明回り、礼射、空走り等の行事を行い、次いで矢で的を射る行事が行われる。空走りの際に縁起物の扇子や生姜を参拝者に授け、これを競って受けようとする風習がある。神社前の市道は元々流鏑馬の馬場であり、ここで古式勇壮な流鏑馬神事が行われる。
9月第二日曜は古式大祭とし、神輿渡御と八十八膳献饌が行われる。神輿は稲荷台にある御旅所まで渡御した後、神社に遷御する。その後直ちに、八十八膳の献饌が始まる。一夜酒、繭形の餠、青さや豆、里芋の御汁、山いも、かじめ、大根、みょうが、河骨、にがいも、ごぼう、ずいき、わらびの御料理、栗、柿、くるみ、柚子の御菓子、高盛のおふかしが旧儀に従って、漆塗りの椀、高杯などの祭器に盛りつけられる。それらを唐櫃に収めて白丁が奉舁する。本殿に献饌された後、境内の摂社、末社を巡って献饌が行われる。
また例年9月15日は例大祭と定め、献幣使を迎えての例祭が行われる。
飯野八幡宮の祭礼は別名生姜祭りともいわれている。
言い伝えによれば、源頼義公が前九年の役に出征のおり、ひどい暑気あたりにかかられ、地方の農民が献じた生姜を食され、その病を治癒されたと言われている。生姜は漢方で健胃薬とされており、親の根生姜も子の新生姜も育つとの縁起で、参拝者はこの生姜を買い求め、福を受けるという風習になったものと思われる。
神饌について
『神饌の生姜一束匂ひけり』 西海枝梟子
神饌とは音読してシンセンといい、古くはミケといいました。ミケは御食であり神さまにお供えする食物をあらわします。御神前には米、酒をはじめとして海の幸、山の幸をお供えし食物を与えて下さった神さまの御恩徳に感謝すると同時に、これをもっておもてなしをするのです。
お頒ちしましたご神気のこもった神饌をいただく事により、ご一家の繁栄とご健勝を身につけられる事でありましょう。 |